2025年1月29日、元フジテレビアナウンサー渡邊渚さんの初めてのフォトエッセイ「透明を満たす」が発売されました。
中居正広さんの引退やフジテレビの一連の騒動に大きく関わっているのではと言われているため、発売前から注目を集めていましたが、実際にはどのような内容なのでしょうか?
渡邊渚のフォトエッセイの内容は?
どのような人に向けて書かれているのか?
渡邊渚さんはこの本を次のような人に読んで欲しいと話しています。
- 生きづらさを感じている人
- 病と闘っている人
- それを支える周囲の人
- 同世代の将来に悩む女性
PTSDを患い苦しんできた彼女ならではの言葉がつづられており、苦しみもがいた末に前向きに一歩を踏み出した彼女に、同じ苦しみを持つ読者は勇気づけられるかもしれません。
フォトエッセイの内容は?
フォトエッセイ「透明を満たす」は、80ページに及ぶ写真と、渡邊さん自身が書き下ろした、5万字を超える長編エッセイからなっています。
エッセイの主な内容はこちらです
・生い立ち、青春時代やアナウンサーになるまで
・アナウンサーになってからの夢の実現と重労働な現実
・PTSDの発症と闘病生活
・回復の過程
・現在の状況とこれからの展望
渡邊渚がPTSDを発症した原因とされている事件についての記述はある?
渡邊渚さんがPTSDを発症した原因とされる事件についての詳細の記述はありません。
2023年6月のある雨の日、仕事に関連した出来事により、私はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することになった。
しかし、その事件が起きた日について渡邊さんは「心が殺された日」と記述しており、どれほどひどい衝撃的なことが起こったのかが想像できます。
その瞬間の恐怖で身体が硬直し、助けを求める声さえ出せず、意識はあるのに心と体が乖離していくような感覚に襲われた。
事件が起きた翌日に親友が家に来てくれて、やっと「怖かった」という感情を表に出せたとのことで、自分の感情を抑え込まなければ保っていられない極限の状態だったことが分かります。
渡邊渚PTSDの原因は中居正広といわれる理由5選!過去の共演番組も
渡邊渚 壮絶なPTSDのくるしみは?
トラウマ体験後、食事が摂れなくなり、1日にぶどう10粒を食べるのが精一杯という状態で、一ヶ月で5キロの体重減少を経験した。生放送の仕事も、笑顔の維持が困難になるほど体調は悪化していった。
身体症状は深刻化の一途を辿り、歩行困難や身体の違和感、雨の日のフラッシュバック、不眠症など、複合的な症状に悩まされるようになった。特に睡眠はトラウマの夢に悩まされ、恐怖の対象になっていった。
本来身体の休息を行う睡眠がトラウマの出来事を思い出してしまうため、恐怖に感じてしまうようになったというのは、とてもかわいそうですね。
このように急激に体調が悪化したため、渡邊渚さんはトラウマ体験から一ヶ月後に栄養失調のため、消化器内科に2ヵ月入院することになってしまいます。
渡邊渚 アナウンサー復帰への焦りから自傷行為も
消化器内科に2週間の予定で入院した渡邊さんですが、体調の回復は思わしくなく、また、トラウマの原因となった問題の法廷解決も弁護士が見つからないなど難航。
体調の悪さと連動して、気持ちもどんどん落ちていってしまったようです。
次第に「もう私には価値がない」「誰も信用できない」という思いが心を蝕んでいき、人との関係性を築くことさえ困難に感じられるようになっていった。生きようとする意思そのものが失われていた。
社会人として4年間、恋愛も友人との付き合いも後回しにし、ただひたすら仕事に邁進してきた。しかし今、その仕事さえできない状況に追い込まれ、自分がいかに寂しい人間だったかを痛感することとなった。
そしてこのあと、次の文章の後、自傷行為に及んでしまったことを告白しています。
心が弱っている方、フラッシュバックなどの心配がある方はご注意ください
実際には最悪の事態は免れましたが、この行為の後渡邊さんは精神科入院することになります。
渡邊渚 PTSD回復の過程は?妊娠についても
渡邊渚さんは一年以上の時間をかけ、鍼灸と酵素風呂という方法で少しずつ体調が良くなっていったそうです。
またこの間の極度の体重減少による無月経が将来の妊娠の可能性についての不安を引き起こしたそうで、
SNSで見る同世代の結婚・出産報告に自分だけが取り残されている焦燥感を覚えた
と記述しています。
一方で、そのような不安をSNSで発信したことによって同じような悩みを持つ人とつながることができたことが、渡邊渚さんが回復に進む上で大きかったようです。
横断歩道を時間内に渡れるようになったことや、包丁を使える自信をとりもどしたことなど、些細な「当たり前」の回復が大きな希望となっている。
そんなささいなことに喜びを感じるほど辛かったんですね。
渡邊渚 フジテレビ退社と現在
ずっとアナウンサーへの復帰を夢見て回復に努めてきた渡邊渚さんですが、自身の幸せのために、フジテレビを退社することを決意します。
(仕事を辞めることは)PTSDの原因となった人々に屈するような気がして躊躇した。特に「アナウンサー」という職業柄、退職が報道され「逃げた人」というレッテルを貼られる事への不安もあった
しかし、最終的に心身の健康を優先する決断を下した。「辞める=逃げ」という世間体に囚われて自分の人生を台無しにするよりも、自分の幸せを選択する方が正しいと確信したからだ。
フジテレビを退職することを決めてからの渡邊さんはパリに行って開放的な気分を味わい自信をつけたり、病気についての講演を行ったりと精力的に活動されていて、一歩ずつ回復されていることが伝わってきますね。
渡邊渚「透明を満たす」フォトは?
「透明を満たす」にはたくさんの写真も掲載されています。
一部では「PTSDを患った人がグラビアをできるわけない」との声もありますが、渡邊さんは、
「私は病気になるずっと前からグラビアページに出ていたので、こうして写真を撮られることに抵抗感がありません。むしろ病気によって〝できない〟と決めつけるのは、他者にも自分自身にもしたくないことなので、こうして挑戦しています」
と話しています。
実際にはいわゆる「グラビア」というような肌の露出が多い写真はほとんどなく、渡邊さんが「いろいろな服を着て、綺麗にメイクしてもらって嬉しかった」と話しているように様々な表情をした渡邊渚さんを見ることができてとても魅力的です。
まとめ
今回大きな話題の中で出版されたフォトエッセイですが、率直にずっと夢を追って努力し続け、輝いて生きていた人間を絶望に落とし人生を台無しにした人に対し憤りを覚えました。
つらい状況から立ち直ろうと前向きにがんばる渡邊渚さんをこれからも応援していきたいと思います。