ラインの文章についての世代間の違いが招いた「マルハラスメント」をきっかけにして起きた「なんでもハラスメント」に対する反発。
あなたの意見はどうですか?
「マルハラスメント」って何?
「マルハラスメント」とは、ラインの文章のなかで句読点の「。」をつけることに対して若者が「怒っている感じがする」「威圧感がハンパない」等、ストレスを感じるとした意見があることを言います。
若者たちは「。」をとても怖がっていて
- 心の距離がすごいあるようで冷たく感じる
- 存在を受け入れられていないように感じる
- もっとフランクで書いてくれたほうが返信しやすい
と感じるそうです。
一方大人世代は
- 仕事では「。」をつけるのが普通
- 文法的に習慣で「、」「。」の句読点を付けてしまう。
と考えています。
明星大学大学院教授の藤井靖教授は若者の「マルハラスメント」について以下のように話しています。
LINEとかのコミュニケーションアプリの特徴は連続的にトークがずっと残っているという特性がある
そういう連続性を前提とした媒体に育ってきていると「。」が入るということは
なにかバスっとその連続性が断たれて関係が切られてような気がしたり、
なにか厳しいことをしっかり言われているというような感覚に陥ってしまう
ちなみに若者の間では最後につけるのは「。」ではなく「!」が正解だそうで、「!」がついて文章が返ってくるとやる気や前向きな気持を感じるそうです。
そして一番やってはいけないのが「!」赤のビックリマーク。これをつけると意味が分からず怖いそうです。
マツコ・デラックスは「無理だわ、そこまで若い子に合わせられないわ」
1月29日放送の「TOKYO MX 5時に夢中!」に出演したマツコ・デラックスはこの「マルハラスメント」について次のように言っていました。
これを世代間ギャップと言われたらしょうがないけど、だって、「、」や「。」に意味取られちゃうと無理だわ。「、」「。」に意味なんてあるの?もういいわ、別の国に暮らしたいわ。そこまで若い子に合わせるのは無理よ」
マツコさんらしいコメントですね!
「なんでもハラスメント」に批判殺到。「なんでもハラスメント」ってなに?もはや「ハラスメントハラスメント」で「ハラハラ」!
この「マルハラスメント」に対してX(旧ツイッター)では
なんでも「ハラスメント」って言えばいいってものじゃない。
あれもこれもハラスメントじゃもはや「ハラスメントハラスメント」だ
と、うんざりする投稿が次々上がっています。
めんどくさっ。
— タガメ@沼の底から (@tagamekamo) February 2, 2024
若者に向けたLINEで文末に「。」を付けるのは、怖いだのハラスメントだの。
句読点使ったら「マルハラ」?
それこそ「何でもハラスメント扱いする逆ハラスメント」やがな。
絵文字使えばおばさん構文だの、❤付ければセクハラだの言われるし、ついには句読点にまでケチ付けんのか。 https://t.co/4jHG8WYrZ4
なんだよマルハラって
— つっきぃ (@tsukky_dao) February 2, 2024
ビックリマーク界っていうのも初めて聞いたし、なんでもかんでもハラスメントにされたらそれこそ「ハラハラ」だよ
なんでもかんでもハラスメントっていうのなんなのって感じるわ
— シュリット👾🧪 (@Schritt0707) February 2, 2024
なんでもハラスメントにするの、もはやその行為がハラスメントやろ。
— にぎられ飯 (@ngrrm4) February 2, 2024
と思って略したらなんだろう、通称ハラハラ?ウケる〜となった
また、若者が「。」をつけることがハラスメントだと言ってるわけではなく、マスコミがそのような言葉を作って騒ぎ立てていると言った批判の声もあります。
メディアがなんでもハラスメントって付けたがってるだけなので、純粋な大人たちが「へー今の子は〇〇ハラ」って言うんだァって真に受けないことを願ってる
— 白鳥さくら🦢🌸#キャンガル (@4_sakura_13dayo) February 2, 2024
なんでもハラスメントって言えば許されるの?若者の括りで色々言われるの嫌なんだけどそう思うのは違う? https://t.co/qoJ7K3aaXp
— おたく (@UEs2lxxh2ZhhX1V) February 2, 2024
何でもかんでも「ハラスメント」をつける風潮にうんざりしている人が多いのが伝わってきますね。
もはや「ハラスメント」という言葉に不快な感情を感じるという「ハラスメントハラスメント」という言葉さえでてきています。
ハラスメントとは?今は30種類以上ある!
ハラスメントとは、相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることであり、「嫌がらせ」を指します。行為者がどう思っているのかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントとなります。
今は何でもかんでも「ハラスメント」にしてしまう時代。30種類以上の「~ハラスメント」があると言われています。
何個聞いたことがありますか?
セクシャルハラスメント(セクハラ) | 性的嫌がらせ |
パワーハラスメント(パワハラ) | 職務上の地位を利用した仕事にかこつけたいじめ |
モラルハラスメント(モラハラ) | 言葉や態度などによって人格や尊厳を傷つけること |
マタニティハラスメント(マタハラ) | 出産・育児を理由として職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けること |
ジェンダー・ハラスメント | 一般的な女性や男性のイメージだけで人を判断してしまうこと |
マリッジ・ハラスメント | 単身者に対して、結婚を促したり、本人が望んでいない交際を迫ったりすること |
ブラッドタイプ・ハラスメント | 血液型が与える印象でその人の人柄や性格を決めつけるような言動 |
エイジ・ハラスメント | 年齢を理由としたハラスメント |
アルコールハラスメント | お酒の強要などや酒の臭いや泥酔の姿を見せて人を不快にさせること |
カラオケ・ハラスメント | 本人の意に反して歌うのを強制すること |
テクノロジー・ハラスメント | パソコンなどのIT機器の操作が不慣れな人に対して、嫌がらせをすること |
お菓子ハラスメント | 特定の人にだけお菓子やお土産を配らず、不快な思いをさせてしまうこと |
ヌードルハラスメント | 麺類などをすする音によるハラスメント |
エンジョイハラスメント | 楽しさを押し付ける嫌がらせ |
終われハラスメント | 企業の採用において、自社に来てほしいため、求職者に就職活動を終えるよう誘導・強制されること |
時短ハラスメント | 労働時間を減らすことを現場に求めながらも、具体的な提案はなく、現場に丸投げする場合など |
リストラハラスメント | リストラ対象者に嫌がらせをしたり、不当な配置転換をしたりして、自主退職に追い詰めること |
エアコンハラスメント | 職場の温度に関するハラスメント |
テクスチュアルハラスメント | 文章上での性的な嫌がらせのこと |
パタニティハラスメント | 男性の育児休暇を妨げるような言動のこと |
ラブハラスメント | 恋愛や性に関する話題を、公共の場に持ち込むこと |
スクールセクシャルハラスメント | 学校で教師が児童生徒に対して行う性的いやがらせ |
ゼクシャルハラスメント | 交際している男女のうち、相手に対して結婚を迫ることで心理的負担を与えるいやがらせ |
告白ハラスメント | お互いの職場での関係性を気にせず無理に告白して、相手に迷惑をかけてしまう行為 |
スメルハラスメント | 臭いが原因で、周りが不快な思いをしてしまうこと |
スモークハラスメント | 非喫煙者にたばこを勧めたり、不可避的にたばこの煙にさらされたりすること |
レイシャルハラスメント | 人種や民族、国籍、地域において、嫌がらせを受け不快な気持ちにさせてしまうこと |
レリジャスハラスメント | 宗教関係者から受ける、精神的・経済的な嫌がらせのこと |
エアーハラスメント | 雰囲気を壊す発言や態度を取り相手を不快にさせてしまうこと |
コミュニケーションハラスメント | 人とのコミュニケーションが苦手な人に、コミュニケーションを強要してしまうこと |
セカンドハラスメント | ハラスメントの被害者がそのことを他人に相談し、相談者から責められてしまうこと |
ソーシャルハラスメント | SNS上でおこなわれる嫌がらせのこと |
アカデミックハラスメント | 大学教授がその立場を利用して学生に対しておこなういやがらせ |
フォトハラスメント | スマホなどで撮影した写真を無許可でSNSにあげられ、相手が不快に思うこと |
まとめ
LINEでの「。」の使用が怖いという「マルハラスメント」から何でもかんでも「~ハラスメント」と名付けてしまう風潮について問題意識を持つ声が多く上がっていることがわかりました。
あまりに多くの種類のハラスメントが作られることによって「パワハラ」「セクハラ」のように深刻な心のダメージを受けるハラスメントが逆に軽んじられてしまうことが心配です。
ハラスメントに該当するしないに関わらず、相手の嫌がることを強要しない、相手の立場に立って考えることを気をつけていきたいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。